粉体の種類とほぐし例

粉体の種類と「粗砕・解砕・ほぐす」例について

化学品・樹脂原料系

食品と同じく、化学品や樹脂原料の粉体・ペレット もブリッジや塊化が大きな問題になります。
特徴としては「吸湿」「静電気」「熱による変性」が強く影響します。
以下に代表的な分類ごとの 固まりやすさの特徴 と 適合ほぐし方式 を整理しました。
化学品・樹脂原料系の固まりやすさと適合方式
分類 粉体例 固まりやすさの特徴 適合するほぐし方法
樹脂ペレット PE、PP、PET
PSペレット
通常は流動性良いが、圧縮荷重でブリッジやラットホール発生。
静電気で壁面付着も。
外部振動方式、軽圧砕方式
微粉樹脂 PVC粉
ナイロン粉末
樹脂マスターバッチ粉
粒度が細かく静電気で付着、吸湿でダマ化。 外部振動方式+エアーパルス方式
無機充填材 炭酸カルシウム
タルク
シリカ
酸化チタン
吸湿により固まりやすい。
超微粉は凝集してブリッジ化。
エアーパルス方式、振動方式
化学薬品粉体 硫酸塩
リン酸塩
硝酸塩
界面活性剤粉末
吸湿性が強く、塊化しやすい。
反応性によっては熱で固結。
圧砕方式、エアーパルス方式、
加温乾燥との併用
肥料原料
(化成肥料)
尿素
硫安
リン酸肥料
強い吸湿性で「ガッチリ固まる」。
結晶化でブロック状になる。
圧砕方式(ローラー/プレート)、
場合によってはバックブレーカー方式
ゴム・添加剤粉末 カーボンブラック
可塑剤粉末
超微粉でダスト飛散、静電気凝集。
ブリッジより「付着性」が問題。
振動方式、
エアパルス方式(弱めで頻繁に)
ポイント整理
  1. 吸湿性が強い化学品(塩類・肥料系)
    → 乾燥管理+圧砕方式が必要
  2. 微粉・静電気を帯びやすい樹脂粉末
    → 振動方式+エアパルスが有効
  3. ペレット系樹脂
    → 荷重ブリッジには振動方式で十分、強固なら軽圧砕
  4. 無機充填材(シリカ・タルク)
    → 微振動+エアパルスで壁面付着を解消
食品よりも「湿気管理・静電気対策」が大きなカギになります。
特に樹脂粉は静電気で壁に貼り付きやすいので、ほぐし機より「アース・導電処理・内面コート」といった設計対策も重要です。

化学品・樹脂原料系固まった粉末の粗砕

ブリッジ(塊化)とは

粉体や粒体をフレコンバッグやホッパーなどに入れた際に、内部でアーチ状(橋を架けたように)や塊状に固まってしまい、下に落ちなくなる現象を指します。

●仕組み
粉体同士が 湿気・静電気・圧縮応力 などで付着して固まる。
重力で下に落ちるはずの粉が、容器内部で アーチ(橋)状の構造 を作り、下部の排出口をふさぐ。
これにより 粉が流動しなくなる(詰まる)。

●粉体のブリッジ例
セメントが湿気で固まって出口をふさぐ。
砂糖や塩が固まって容器から出てこない。
樹脂ペレットが静電気でくっつきアーチ状に止まる。

●ブリッジの対策
エアーパルス方式
外部振動方式
バックブレーカー
圧砕方式など

ブリッジ(塊化)とは