粉体の種類とほぐし例

粉体の種類と「粗砕・解砕・ほぐす」例について

食品原料系

食品業界でフレコンやサイロに入れる粉体は、含水率・粒度・油分・温湿度条件 によって固まりやすさ(ブリッジしやすさ)が大きく変わります。
以下に代表的な食品粉体の「固まりやすさの特徴」と「適合しやすいほぐし方式」を整理しました。
食品粉体の固まりやすさと適合方式
分類 粉体例 固まりやすさの特徴 適合するほぐし方法
でん粉系 小麦粉
コーンスターチ
馬鈴薯澱粉
吸湿性が高い。
湿気でブリッジ(塊化)しやすい。
静電気付着も多い。
外部振動方式
エアパルス方式(エアーでほぐす)
軽圧砕方式
砂糖・塩系 上白糖
粉糖
吸湿すると固結。
特に粉糖は非常に固まりやすい。
塩は結晶成長でガッチリ固結。
圧砕方式(ローラー/プレート)
エアパルス方式
必要に応じて加温乾燥
粉乳・蛋白系 脱脂粉乳
ホエイパウダー
大豆粉
吸湿+油分でダマ化。
ブリッジよりも「ケーキ状」に固まりやすい。
圧縮プレート方式
内部攪拌式
バイブレーション方式の併用
香辛料・微粉系 ココアパウダー
胡椒粉
抹茶粉末
粒度が細かく静電気で壁面に付着しやすい。
ブリッジ(塊化)は軽度だが流動性が悪い。
振動方式(微振動)
フレキシブルライナー付ホッパー
ペレット・顆粒系 チョコチップ
乾燥野菜粒
顆粒スープ
流動性は良い。
上からの荷重でブリッジ(塊化)しやすい。
外部振動方式
軽圧砕方式(ローラー)
油脂分を含む粉体 カカオ
きな粉
全粉乳
油脂により粉同士が付着しダマ化する。
温度によっては粘着固結。
圧砕方式+振動方式
の組合せ
場合によって低温保管必須
ポイント整理
  1. 湿気に弱い粉(砂糖・塩・澱粉類)
    → エアーパルス方式や圧砕方式が有効
  2. 油脂を含む粉(カカオ・粉乳・きな粉)
    → 圧砕方式や内部攪拌式が適合
  3. 微粉・静電気が多い粉(抹茶・ココア)
    → 振動方式で壁面付着を低減
  4. 顆粒・ペレット系
    → 荷重でブリッジしやすく、軽圧砕や振動で解消
食品工場では「粉体ごとに流動性試験」を実施し、ほぐし機の適合方式を選定するのが一般的です。

食品粉の粗砕

ブリッジ(塊化)とは

粉体や粒体をフレコンバッグやホッパーなどに入れた際に、内部でアーチ状(橋を架けたように)や塊状に固まってしまい、下に落ちなくなる現象を指します。

●仕組み
粉体同士が 湿気・静電気・圧縮応力 などで付着して固まる。
重力で下に落ちるはずの粉が、容器内部で アーチ(橋)状の構造 を作り、下部の排出口をふさぐ。
これにより 粉が流動しなくなる(詰まる)。

●粉体のブリッジ例
セメントが湿気で固まって出口をふさぐ。
砂糖や塩が固まって容器から出てこない。
樹脂ペレットが静電気でくっつきアーチ状に止まる。

●ブリッジの対策
エアーパルス方式
外部振動方式
バックブレーカー
圧砕方式など

ブリッジ(塊化)とは